短歌入門部屋
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プラボットの異端児(其の弐)

もう充分大人をやれる歳だよとあきらめ顔で諭されている
ひと 
 
他人は己を映す鏡なのだよと幼き日々に教わりしこと

やはり今でも僕の思想は危険だと恩師よあなたは思うでしょうか

人類の粛清などと馬鹿なこと本気で語っていた少年時

                                   
そうだよね、僕が見捨ててしまったらほんとにあの娘は終わりだものね

恋をしているんだ君にそれゆえのおかしな僕を笑はないでね

夢のような時間だったね僕達を邪魔するものなど何もなかった

この一瞬を重ねてゆけばいつの日か永遠にたどり着ける気がする

「人が幸せになろうと努力することの一体何が悪いというの」

遊び半分に生きているから僕達はいつまでたっても未熟なのです

未熟未熟、未熟千万僕たちはもっと精進しなきゃいけない

二人だけの秘密なんだよこのことはいつか世界が終わる日までの


いつか死が二人を分かつその日まで僕のすべてで君を守るよ

あとは経験を積むだけの僕達なのだから恐れずにゆこうよ、大人の世界へ

プライドなど捨ててしまえばよかったと今頃気付いているのだ……お馬鹿。

この寒空の下でふるえている君の最後の砦になってあげたい

民衆はどこまで行っても愚鈍だとかつての僕ならそう言ったでしょう

やがて歴史の裁きを受ける者たちの勝ち鬨なれば寂しげに聴く

この社会の全てのものに逆らえと僕の心がそう云うのです

これが僕たちの望んだ未来だったのか、総てにおいて否だよカモメ……

僕は彼らの鍛錬している姿など一度たりとも見たことがない
                             
まこと
一時の勝利などには目もくれず求めているのは真の力

遅咲きの花もあるよと自らを慰めている、それしか出来ねば。

ただ時が過ぎてゆくのをじっと待つことしかすべが無いのだ今は
        
 さだめ
それも一つの運命なのだよ僕たちがこの世に生まれてきたときからの

大方の予想に反して今もなお彼女は僕の希望なのです

儚くてそして愚かな夢だった君の心を奪おうなんて

人を信じ、愛し、愛されて、幸せに暮らしてゆきたいのです

情けないものだね僕たち二人してこんな程度の力だなんて

馬鹿は馬鹿なりにちゃんと考えているんだよ僕たち二人の将来のこと

憎しみが憎しみを呼び絶えることのなき悲しみの日々を生むのだ

声の限りに叫んでやるよ世の中の全ての矛盾と戦うように

崩れゆく世界のように僕達の想いが消えてしまわぬことを……

やがて哀しみに変わる怒りや憎しみの果てしなければ憐れ人の世

君を認めているから僕は振り向かずたった一人で旅立つのだよ


遠い未来の時代を担う者達に我らの想いを伝えたいのだ


百発のミサイルよりも千発の銃弾よりも重きものと一つの言葉を信じて託す

この手にはもはや触れることのなきものと銀河の光、百億の星。

澄んだ心で夜空に輝くあの月を眺めていたい……それだけの事。

欲しいモノがあるなら勝つしかないのだよ行く手を阻む全てのものに

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