短歌入門部屋
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としや   う た 
俊也の詩歌

俊也俊也、俺の話を聞いてくれ俺の子亀を盗らないでくれ

一人では迷子になってしまうからあんまり遠くへ行くなよ俊也

藤ノ森発、人生号の行く先はみんな同じさ泣くなよ俊也

                 あざむ
ドナドナは悲しすぎるよ欺かれ子牛の俊也も売られてゆくよ

泳げなくてもいいんだ俊也、人はもう海への希望を捨てたのだから

裏と表があるから人というものは面白いのだ、そうだろ俊也

何処へ向かっているんだ俊也その先はきっと険しい道ばかりだよ

壊れかけのおもちゃ抱えて健気とは俊也お前のことをいうのだ

もしも鳥になれたらなんて馬鹿なこと本気で言うのはおよしよ俊也

「綱渡りばかりやっているんだ」と自嘲気味に笑えば……俊也。

俊也、裏の田んぼに蛙が鳴く夜は無性に愚民が憎くはないか

裁かれるべきはお前とお前だと俺と俊也が名指しにされる

時が忘却をくれるその日まで待とうよ俊也、悲しき俊也

銀色に輝く遥かなあの道を今も歩んでいるのか俊也

俊也お前は今でもあの日の判断を正しかったと思っているか

この時代の空気のなかにこそ潜む俊也、虚無とは我らのことよ

ついに歴史の表舞台に立つこともなく消え去ってゆくのか俊也

妥協などあり得ないのだ我らには俊也、理想の国まで行けよ

恋も革命ももはや遠き初夏に、我らの世代がやるのだ俊也

独裁者の見た夢なのか幻か俊也、舞台の幕が下りるよ

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