短歌入門部屋
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コトバどろぼう
                                あまぐに
五月雨に革靴までもびしょ濡れで僕はさながら雨国の王

「馬鹿息子!」母はあんまり驚いて心を不敬で満たしたよ

借り物の力なんだよこの歌も企みめぐらす悪の詩人の

あれがそうエクトプラズム物質霊たまに出るよね君のくちから

                              かなめ      
ただ君が幸せであるということのそれがすべての要なのだよ

この歌は有害短歌、未成年は親に隠れて読むのだ…そっと


才あれば徳などいらぬよ、うなだれて太宰あなたの好みは何色

風にマントを翻させて英雄は立ち上がるのだ、そう雄々しげに

あの日彼らが倒した悪の怪人は我が家の墓に眠っているよ

遥かむかし人間世界を解脱した神々のいる領域かもね

おしまれて去って行くのだあの夏のパラソルさした少女のように

傷だらけの腕で守ってくれたよね仔犬のようにふるえる僕を

同じ痛みを分かち合った者にしか分からないのだこの悲しみは

人に人を裁く権利があるのかと叫んでみても暗闇の中

「薬指のつめの伸びだけ速いのはあなたのかけた魔法のせいよ」

「きっとあなたは違う世界の人だわ」とそんな寂しいこと言わないで

おそらく誰もが君のようになりたいとはかない夢を見続けるのだ
 
                                     ひと
その心の奥に秘めたる思いなど分からないから怖いね人間は

ミラボー橋もセーヌ川もなき東洋の島にも恋の水は流るよ

『最高の塔の唄』など口ずさみしばらく心はフランス模様

死児達の亡霊に満ちた空だからあまりに悲し音色の鐘よ

僕はもういいよ孤独に生きるよと本気で言ってる訳じゃないけど

自らの育てし闇に呑みこまれやがて寂しく滅び行くのみ

「だとしたらあなたは永遠に愚鈍だ」とどこかで聞いた台詞だね、それ

ヴィオロンとは秋風のこと秋風のヴィオロンの詩の物憂き夕べ

天が下ところ狭しと歩み行く放浪の詩人夢見ておりし

お人好しな心のままでいるという凄く巧みな君の作戦

この僕にどうしろという自らの進む道さえわからぬ僕に

生き急ぐ青き果実の過ちの怒らないから帰っておいで

もう一度だけでいいからやり直すチャンスがほしい、君に会いたい

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