短歌入門部屋
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プラボットの異端児
                                
秘め事の一つや二つあるんだよ優等生のあの娘にだって

反骨の僕とよい子のきみ達とみんな仲良くなんて出来ない

一度踏み外した軌道ならばもう二度と戻ってこれはしまいよ

抵抗の意思もあらわにガンダムは大地に立つよ今また立つよ

気にくわぬ奴らが天下を取るからと怒ったミーコはくちもきかない

       しいか
秋の日の詩歌を偏愛する僕の『暗記せずにはいられない病』

ついに望んで叶わぬ物の象徴であったのだあの美しき城

だからいいだからあなたはいいのだよこんな僕にも優しきマリア

傷付けたことに傷付き僕たちは悲しいほどに善人だから

それはたぶん型にはまらぬ強烈な個性の反映故なのだろう

                  のち
まず始めそして続けるその後に極まるものの怪物となれ

無能無知無学無力これすべて我のことなり救いよう無し

花嫁を奪えど今宵、盗賊のお頭なれば愛は語らず

正しさに束縛されたあなたからはとどかないのだこの世界には

あの日、君が僕を選んだ選択はやはり大きな過ちでした

企みは事のみごとに砕かれてこんな程度の男なんです

喪に服すときの色ゆえ漆黒の羽を選びし悲しき鳥よ

いつの時代も人は強きもの美しきものに憧れるのだよ

愛想笑いの使用期限も待たずして二人は本気で笑い始めた

天国への梯子のように伸びてゆくバベルの塔ならとどくよきっと

あの暴君を黙らすための呪文ならいくつか知ってはいるのだけれど

       あほう
自惚れた阿呆がひとり「お前にはもっと大きな事ができる」と

はたされぬままの約束携えて訪ねて行きたし穏やかな日に

世捨て人のごとき寂しき生涯を送りて後の野垂れ死にとは

流れ流れてようやくたどり着いたよとあなたの墓に報告します

馬鹿なことしたもんだなと我ながら生きていますよ恥ずかしながら

かど
  
角とれて丸くなりゆく魂は少年世界の裏切りなりや

己の知り得ることがこの世のすべてだと思うなかれよ世の大人たち

君たちが重ねし業の報いだと語ればそれで納得するか

存在してはならぬものゆえ寂しげにうつむく癖は今も直らず

志半ばで散った者たちの無念を背負って生きてきたのだ

車にも家にも顔があるのではないかと思う、ニラマレテイル

コツコツと真面目に生きている人の岩をも貫く底力だよ

缶コーヒー、一本あれば幸せな男なんだと思う日もある

矛盾矛盾、詩人に矛盾は付き物と思うけれども思うけれども

若いのに短歌に興味があるなんて何か心に傷でもあるの

何をしているんだ僕は今日もただ犬の散歩と本読んだだけ

僕一人居なくなってもこの国はびくともしないよ、いらぬ歯車

まさか彼らの夢の名残であったとは誰も気付きはしないであろう

ひたすらに道に励めよ遠ざかる彼らの背中に答えるために

一冊の本に頭を下げているこの謙虚さを愛してみたい

道に迷ったときに帰ってくる場所は此処だと常に決めているのだ

いまだ言葉と格闘しての作歌では道の奥義にほど遠きかな

初めからそのつもりだよ僕たちは最初の矛盾に気付いた日から

何も出来ず何も残せず生きてきてここで死んだら人間のクズ

春風に今でも嫌いと問われればやっぱり嫌い人間きらい

ほんとうに馬鹿だな僕は弱虫な子供のままでいればよかった

最後まであきらめないで戦えば誰かが分かってくれるよね、きっと

罰を受けるいわれなどなきこの身とは思わねどなおこれはひど過ぎ

何をしてもうまく行かない一日のとどめのごときどしゃ降りが来る
 

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