短歌入門部屋
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幕末京都史跡めぐり

見聞を広める為の旅をして生涯書生のボウズ頭さ

寺田屋の黒き柱の刀痕をなぞればこころ幕末へ行く

別れ往く春の伏見の想い出と十石舟に揺られていたり

「春雨か濡れて行こう」と半平太きどりしことも京のおもいで

二条城は敵の城ゆえ一時も油断をせずに行くのだ黒路

幕末の史跡めぐりの旅なれば国士きどりで御苑行くのさ
                           
そんのうじょうい
西洋に憧れすぎるこの国のあの日たしかに尊皇攘攘夷

腹を切り詫びてやろうか当てつけにお前が嫌いお前も嫌い


都大路に小雨は降りてどうしても忘れられない女がいるよ

臆病で似ても似つかぬ僕をみて「まるで高杉晋作みたい」

白川の流れは清く美しくあなたと二人で眺めた夏の

丸山に泣きに来たのだ、かの歌のおさな舞姫さながらに泣く

   
野に隠れて生きておればよいのだよ権力などにはかかわりもせず
つわもの 
  
兵どもの夢のあとゆえ寂しげに時代祭りの列が歩むよ

鴨川に散った命の花の数かぞえてなにか不気味になりぬ

この国を思い死んでいった者たちの屍の上に立っているのだ

義理堅い奴だよ君は、だからかな飛び立つ鳥も去りがたく啼く

池田屋の石碑の前にたたずめば今もあの日の闘いが見ゆ
                  おもむ
その尋常ならざる才の赴くままに一つの時代を生きたのか君
                  
 りょうぜん
僕もまた死に遅れたる一人だと霊山の風に思いたいのだ

清水の舞台に隠れてひっそりと西郷、月照の詩碑があること
                         
くに
欲深き罪びとたちのはばかりて、こんな日本ではなかったはずだ

美しくなければ意味がないのだとそれがあなたの本音でしょうか

高瀬川の小橋の手すりに寄りかかり流れる水のままに心を

この大きな時代のうねりのその中で己の無力を思い知るのだ

百年、兵を鍛えてなおも使わぬ兵法のごとくありたし我の言葉も

失われた我ら日本民族の気高き誇り、誇りだそれは

贅沢は申し訳ないから公園でコンビニ弁当食べているのだ

この国の歴史つぶさに眺めればこれも一つの戦記でありぬ

孤独こそ旅の醍醐味ただひとり今日も日本のどこかにいるよ

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