以上の作品には、大河の575の後に、睦夫の77が来る作品ばかりではなく、大河の独吟短連歌のものや 陸人の挙句77になった作品も含まれています。 |
「習志野三吟百韻連歌集」 (小学校2年生からの短歌創作手本書) 短歌はいきなり、57577を詠めるようにはなりません。まず、575の俳句を創作し、指導する人が挙句の77を添えて上げて短歌への道を開いてあげるのです。この度の連歌集はそれを目的に創作しました。短歌は文章の基本です。これがご参考になれば幸いです。タイトルは孫の4年生が作った短歌としました。孫の2年生の三人で作品をしあげました。 「大人はね何でも出来て堪んない、お酒も飲めてタバコも吸える」 「大人はね何でも出来て堪んない、 お酒も飲めてタバコも吸える」の序文 連歌は短歌と違って、最初の575の部分(発句)を一人の人が吟じて、後半の77の部分を別の人が吟じて作るものです。それを一人で作ると短歌という呼び方も出来ますが、独吟短連歌と呼ぶことも出来ます。 今は、連歌をやっている人達は少ないと思いますが、江戸時代は、「句会」といえば、お互いの作った俳句を見せ合うのではなく、その句会の主賓の人に575の発句を吟じてもらって、集まった人達が、77の二の句、次に575の三の句と吟じて、最後の人が77の挙句を吟じて楽しんでいたのです。相手から質問された時に、どぎまぎすることを「二の句が次げない」といいますが、この言葉の発端はこの連歌から来ています。また、「挙句の果てに」という言葉も句会で最後に吟じる「挙句」から来ているのは言うまでもありません。連歌は江戸時代には庶民の間で流行っていました。歌舞伎でも句会を扱った「松浦の太鼓」というのがあるくらいです。松尾芭蕉の一の弟子の宝井基角が雪の降っている夜に句会を開く松浦家に行く途中、弟子の大高源吾に会うと、すぐさま、「年の瀬や水の流れと人の身は」と発句を吟ずると、源吾は空かさす、「明日待たるゝその宝舟」と挙句を吟じて一幕が終わります。 このように江戸時代に流行っていた連歌を三人で百韻を吟じたのがこの作品です。短歌ですと50首分にあたります。 連歌は室町時代から、短歌に代わって文芸の主流になっていきましたが、奈良・平安・鎌倉時代でも、正式な歌会が終わって酒席の場では既に、連歌を吟じる句会が行われていたのです。「十六夜日記」で有名な阿仏尼は財産争いの裁判に立ち会う為に京都から鎌倉への旅に出たのですが、その途中の宿泊宿には、阿仏尼を主賓にして、発句を吟じてもらおうと、阿仏尼を待ち構えていました。このように短歌を詠もとする人はまず、俳諧連歌で歌を詠む訓練をしていたのです。訓練ですから、作った句は記録に残しませんでした。 |
更に、さかのぼれば、俳句の元は倭武尊(ヤマトたけのみこと)の577で詠んだ片歌(かたうた)が始まりになります。それは、筑波から仙台に向かう途中、酒折という所で休憩を取った時、倭武尊は「新治つ/筑波を出て/幾夜か寝つる」と従者に問いかけます。すると、体が弱くて荷物を持てないので、旅の途中の休憩の時に、火を起こす「火炊の翁」が「日々並べて/夜には九夜/日には十日を」と、やはり577で返答をしたのです。倭武尊はこの者に土地を与えました。すると、他の従者達から不平が出ました。倭武尊は空かさず「歌の故に」と言って、「歌を詠めることは人を統治する力があることなんだ。それ故に人を支配する土地を与えたのだ」と従者達を諭したと言われています。支配と言っても、日本古来の政治は「恵民済国」と言って、支配者が民に恵みを与えて国を治めることでした。ここで更に分かることは、歌の初めは、対話だったということです。この連歌集も対話形式でほとんどが進められております。対話形式で即座に歌が浮かんでくるようになる見本の作品となっております。 藤原定家は「歌には、師(匠)なし。古歌をもって、師とすべし」と言っています。この作品は私と小学2年と4年になる孫の三人で作成しましたが、孫の二人の作品のほとんどは、575の発句を吟じております。しかし、孫は歌の詠み方を教えたこともないのに、俳句を作るようになったのです。それは私が孫の友達に作って上げた歌を読んでから友達に渡しているうちに、ある日突然、俳句を作って私に持って来たのが始まりでした。私の短歌が、孫にとっては、定家の言う古歌になっていたようです。 この作品を読んで、歌はこんなことから始めればいいんだということが分かって戴ければ幸いです。 いい歌を作るようになるだけでなく、普段の生活の中で、何事にも臨機応変に対応出来る能力を磨くものであることも理解し、そうなる為に歌を始めるようになって下さる人が出て戴ければ幸いです。 また、「連歌は対話だ」と申し上げました。人の争いも、国と国との戦争も対話が無くなった為に起こってくるものです。作者と読者と一方的なものだけでなく対話形式の文芸を楽しむところから人々の融和が生まれてくるものと思われます。 陸人・大河・宿谷睦夫共作 |
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@2011.12.28 空高く 飛んでみたいな 宇宙まで(大河) 夢は大きく 持つのはいいね(睦夫) As I look upward, I would like to fly out to the end of the sky.(by Taiga) Fantastic it is! I hope your dream will come true.(by Mutsuo) A2011.12.28 白鳥は 白く輝く 王様だ(大河) 大空高く 飛んでるもんね!(睦夫) The white swans seem to fly about wearing silver like the kings of birds.(by Taiga) They always fly out higher than the others in the sky.(by Mutsuo) B平成24年1月9日(月) 空高く 鳥は飛んでる 鳴きながら(大河) 妻や子供の 待ちしねぐらに(睦夫) When I look upward I see birds flying about calling together, (by Taiga) to return back to their homes, where their wives and children wait. (by Mutsuo) C平成24年1月10日(火) 見上ぐれば 空は青いよ 綺麗だな(大河) 雲雀も鳴いて 野辺も爽やか(睦夫) When I look upward I see the sky dyed pure blue in the bright sunshine.(Taiga) I hear skylarks calling out from the meadows with fresh grass.(by Mutsuo) D大河の俳句平成24年1月6日(金) 桜の木 お花が咲くと 綺麗だな(大河) 春如月の 月の夕暮(睦夫) How fascinating cherry blossoms in the meadows are, when they all bloom (by Taiga) Especially now, in full bloom under the moon! (by Mutsuo) E平成24年1月6日(金) 祭はね 皆が楽しむ 所だね!(大河) 金魚掬いや 花火もあるし(睦夫) Everyone enjoys various activities at the summer festival (by Taiga) for example, goldfish scooping, watching fireworks and so on.(by Mutsuo) F平成24年04月06日(木) 見上れば 見える満月 綺麗だな(大河) 時々雲に 隠れはするが(睦夫) When I look upward I see the full moon shining so beautifully.(by Taiga) Although it sometimes hides behind the floating clouds.(by Mutsuo) G2012.05.04 宝くじ 一杯やって 当ったよ!(大河) ほんと双六 色々あるね!(睦夫) I got many things, sugoroku and so on in the lottery. (by Taiga) You got them as you told me. They must be like a treasure. (by Mutsuo) H平成24年6月4日(月) 大会で 一位を取って 嬉しいな(大河) 凄いじゃないの 仲間とリレー(睦夫) It"s my pleasure to win the first prize today at the athletic meet.(by Taiga) It's wonderful to do so with your partner, a classmate.(by Mutsuo) I2012.07.15 沖縄は 魚が一杯 楽しいな!(大河) 一匹二匹 捕まえたかな?(睦夫) 「沖縄で」 How enjoyable to see a lot of fishes in Okinawa! (by Taiga) Could you get a few of them to stay with your family? (by Mutsuo) (in Okinawa in Japan) J2012.08.08 鳥の巣を 完成させた 夏休み(大河) 飛んで来るのは 雀か鳩か?(睦夫) (祖父の庭の木の上で) I finished making a bird's nest among the trees during summer break .(by Tiaga) What kind of birds will fly in? Sparrows or pigeons may come.(by Mutsuo) (on the branches of a tree in my grandfather’s yard) K2012.08.02(大河) 合宿で ダンス踊って 楽しいね(大河) 得意な技を マスターしたね(睦夫) How cheerful it is to practice dancing enough at the training camp! (by Taiga) you shall master special skills, which you hope to improve .(by Mutsuo) L2012.08.02(大河) ザリガニの 主捕まえた 嬉しいな(大河) めったに出来る ものではないね(睦夫) How happy I am to catch the king of crayfish during my time off now. (by Taiga) It must be rare for, I think, anybody to do so.(by Mutsuo) |
M2013.02.023(大河) 寒い日も コートを着れば 大丈夫(大河) 喉鼻咳の 痛みを防ぐ(睦夫) Putting my coat would prevents me from catching cold if the day were cold.(Tiaga) It will help you to protect your own throat, nose and windpipe.(Mutsuo) N2013.02.023(大河) 野球はね ボ−ルが速くて 打ちにくい(大河) だから毎日 スイングしなきゃ(睦夫) As a beginner it is difficult for me to get any hits. (Tiaga) You had better excercise and swing your bat every day. (Mutsuo ) O2013.02.26 人生は 双六廻しの ゲームだね(大河) どの目が出ても 悔やまず進も(睦夫) Even games such as sugoroku are similar to our human life.(by Taiga) No matter what face you take, play it for all you are worth.(by Mutsuo) P2013.03.23 春休み バスでお出かけ 楽しいね(大河) 花見もしたし お菓子も買えた(睦夫) How joyful for me to journey downtown today this spring holiday!(by Taiga) to go shopping here and there and also go sightseeing.(by Mutsuo) Q 2013.03.23 待ちぼうけ パンとコーヒー じじと飲み(大河) ママの帰りも 辛くは無いね(睦夫) I wait for Mother to have her coffee and bread with my grandfather.(by Taiga) You can never grow tired whenever Mother comes back.(by Mutsuo) R 2013.03.23 何事も 休んだ時は 寂しいね(大河) 仲間も皆な 心配だよね(睦夫) Whatever the cause it is pitiful to skip out of my lessons.(by Taiga) Because all your friends must be wondering what has happened.(by Mutsuo) S 2013.03.27 ジャングルは 暗くて怖い 危険だよ(大河) だけどとっても スリルがあるね(睦夫) 「ジャングルクルーズに乗った時の作品」 If I go into the jungle, I may find it dark and dangerous.(by Taiga) But you can find amazing and thrilling things too, can't you?(by Mutsuo) (in Tokyo Disneyland) (21) 2013.03.27 コタツはね 裸の時は 便利だね(大河) 雨のデスニー ずぶ濡れでもね(睦夫) 「雨の日のデスニーランドから、家に帰って来た時の作品」 Japanese heaters, “kotatsu” are helpful when I'm unclothed, aren't they?(by Taiga) As you were soaked to the skin after walking in the rain.(by Mutsuo) (We composed this after we came back home from Tokyo Disneyland where we walked around in the rain.) (22)2013.06.01 赤と白 運動会で 戦った(大河) 今年は白が 勝ったんだろう(睦夫) 「大河は赤で、去年は勝ったけれど、今年は白が勝ったようでした」 On our school's sports day we fight against each other two teams: white and red. (by Taiga) The white team won this year's prize from red, which you belonged to. (by Mutsuo) (23)2013.06.01 桜の木 花散る前に お花見だ(大河) 皆と弁当 食べるの楽し(陸人) Together, we watch cherry blossoms in full bloom all around with friends. (by Taiga) But it is much better fun to eat lunch than to watch them. (by Rikuto) (24) 2013.04.27 今日はまだ 微熱があって 遊べない(大河) だけど漫画を 楽しめたよね!(睦夫) I have caught a cold and have a slight fever, so I can't play outside.(by Taiga) But you can enjoy reading Anime stories with me. (by Mutsuo) (25) 2012.08.26(大河)独吟単連歌 子供はね 大人みたいに 仕事無い(大河) いっぱい遊び 足腰痛い(大河) こどもはね おとなみたいに しごとない(大河) いっぱいあそび あしこしいたい(大河) 「子供は大人みたいに、仕事が無いので、いっぱい遊べるけど、遊び過ぎて足腰が痛くなってしまう」 As we have no work, which most adults have to do, we can do all things,(by Taiga) but when we enjoy doing one of these too much, we must get exhausted and get aches in our legs or waist.(by Taiga) |
「習志野三吟百韻連歌集」 "Hundred renga by three authors in Narashino"(1-1) 「習志野三吟百韻連歌集」 "Hundred renga by three authors in Narashino"(1-2) 著者・宿谷睦夫のプロフィール profile of author, Mutsuo Shukuya |
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