短歌入門部屋
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どなたでも短歌を自由にはじめられる初心者用の短歌入門部屋です。
(筆:黒路よしひろ)
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【短歌の基本4】
【詠むと読む】
「詠む」と「読む」はどちらも「よむ」です。
ただし、意味はまったく違います。
よく短歌を「作る」と言われる方がいますが、短歌は詩であると同時に歌でもあるので、どちらかと言えば「作る」よりも「詠む(よむ)」「詠う(うたう)」と表現したほうが、その本質に合っているように思います。
そもそも短歌の始まりである万葉集などの時代においては、短歌(和歌)は文字に書いて見せるものではなく、声に出して詠み、詠うことで相手に伝えていたのです。
そういう歴史的事実から言っても、やはり短歌を作ることは「詠む(よむ)」と言いたいものですね。
(いや、僕が「詠む」を使いたがるほんとうの理由は、ただたんにその方がかっこいいからなんだけど^^;)
ちなみに「詠む(よむ)」という言い方は短歌に限らず、俳句、都都逸などでも広く使われているようですね。
「短歌を作る」という意味での「詠む(よむ)」に対して、文字に書かれた相手の作品を「読む」ことを文字通り「読む(よむ)」と言います。
いや、これに関しては別に説明の必要はないですよね(苦笑)
ただ、「読む」ということの重要性について理解していらっしゃる方が少ないように思うので、少しだけ詳しく書いておきます。
人の作品を「読む」ことはじつは「詠む」こととおなじくらい、歌を詠むための重要な勉強であり、また難しいことでもあるのです。
これは僕の私見ですが、おそらく短歌についての知識がまったくない方が短歌を読まれた場合、それが口語短歌ならせいぜいそこに含まれている情報の50%ぐらいを読み取れればいいほうではないでしょうか。
これが新仮名の文語短歌なら30%
旧仮名の文語短歌になればもはやそこに含まれている情報の10%も読み取れないのが事実だと思います。
これが文法や「調べ(リズム)」など、短歌について少し学んで自分でも詠んでいらっしゃる方に(真剣に)読ませると…
口語短歌で70%以上
新仮名の文語短歌で60%程度
旧仮名の文語短歌でも(その人の作風にもよるだろうけれど)40%程度の情報を読み取れるように思います。
もちろん著名な歌人の方達ならば限りなく100%に近い読みが出来るはずですが。
(いや、そう信じたい)
僕が身の程もわきまえず、短歌を批評する掲示板を運営してはじめて気付いたことは、この自分自身の「読み」の未熟さでした。
人の短歌を批評しようと思うと、いままでは「なんとなく知っている」で済んでいた文法などがいい加減なことでは許されなくなってくるのです。
そのため、たった一首の歌を批評するのに助動詞の一つ一つに辞書などを引いて、3日近く悩むこともしばしばでした。
皆さんはたった一首の歌(それも自身のではなく他の人の歌)を、何日もかけて読んだことがあるでしょうか?
僕もいまでは「読む」ことに多少慣れてきたためか、そこまで時間をかけなくても以前以上の「読み」が出来るようになりました(多分だけど^^;)
ただそれは、あの頃に「たった一首の歌」を何日もかけて読み取ろうと苦労する機会をもてたおかげだと思っています。
さすがに僕も、他の人にまで「一首の歌を3日かけて読め」とはいいませんが、一首の短歌とはそこまでする価値のある情報を持っているのだということは知って欲しいと思います。
なんだか後半は短歌の基本とはまったく関係のない話になってしまいましたが、「読む」ことによって「詠む」ための多くのことを学べるということは分かってもらえたでしょうか。
短歌の基本5 「推敲と添削」について
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