短歌入門部屋
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http://tanka.ikaduchi.com/
どなたでも短歌を自由にはじめられる初心者用の短歌入門部屋です。
(筆:黒路よしひろ)

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【短歌の基本2】
短歌の決まりは5・7・5・7・7の5句31音の韻律で詠(よ)むということだけです。
俳句のように「季語」などのややこしい決まりは一切ありません。
ですから皆さんも、どうぞご自由に詠んでみて下さい。

ただ、もちろん自由に詠んでよいのですが、よりよい作品を詠むためのいくつかの技法のようなものはあるので、それをここで少し紹介してみたいと思います。


【調べ(リズム)】について
短歌は詩であり、歌でもあります。
歌でもあるということは散文ではなく韻文であるということです。
「韻文である」ということを要約していえば、独自の「調べ(しらべ)・リズム」を持っているということです。

この「調べ(リズム)」はまず、5・7・5・7・7の定型に納めて詠めば最低限のものは自然に生まれるようになっています。
たとえば…

畝傍(うねび)山 天(あめ)の香具山 二上山(にじょうざん)  高取山(たかとりやま)に 耳成(みみなし)の山

これを声に出して読んでみて下さい。
ちょっと乱暴ですが、こんなふうに僕の地元の有名な山を即興で5・7・5・7・7の5句31音に適当に並べただけも、歌として最低限の「調べ(リズム)」は生まれます。


ですが、ここで少し考えてみてください。
この四句目、「高取山に」の助詞「に」を「と」に変えてみてはどうでしょうか?

畝傍(うねび)山 天(あめ)の香具山 二上山(にじょうざん)  高取山(たかとりやま)と 耳成(みみなし)の山

もちろんこれでも意味的(この歌に深い意味などないけど^^;)には、まったく問題はないですよね。
では、このような場合どちらを選べばよいのでしょうか?
はっきり言って一概に「こっちだ」とは言い切れないのですが「高取山に」の場合、後ろの「耳成の山」にリズム良く繋がるのに対して、「高取山と」だとこの部分でリズムが途切れて「調べ」が悪くなるように僕の場合は感じます。


「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ  (俵 万智)

捨てるかも知れぬ写真を何枚も真面目に撮っている九十九里  (俵 万智)

これらの歌も同じように声に出して読んでみてください。
何も言われなければ、すんなりと読んで「素敵な歌だなあ」ぐらいにしか感じないかも知れません。
しかし、それは読み手が「すんなりと読める」ように、詠み手が「調べ(リズム)」についてあれこれと推敲し、考え抜いた結果なのです。

このように短歌は「意味」だけでなく「調べ(リズム)」について意識して詠むことで、よりよい作品に仕上げてゆくことが出来るのです。

よいリズム感を養うためには、多くの歌人の優れた作品をたくさん読んでみるのがよいと思います。


短歌の基本3 「表記」について
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