短歌入門部屋
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http://tanka.ikaduchi.com/
どなたでも短歌を自由にはじめられる初心者用の短歌入門部屋です。
(筆:黒路よしひろ)

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【短歌の基本7】

【旧仮名(きゅうかな)】
「旧仮名遣い(きゅうかなづかい)」とは、平安時代以来用いられてきた仮名遣いのことで、「歴史的仮名遣い(れきしてきかなづかい)」ともいいます。

たとえば新仮名遣いでの「おうぎ(扇)」のことを旧仮名遣いでは「あふぎ」、「ちょうちょう(喋喋)」のことを「てふてふ」などと書き表します。

旧仮名遣いの調べ方は、文語の調べ方とおなじで広辞苑などの辞書を使えば簡単に分かります。
たとえば広辞苑で「扇」を調べれば…

おうぎ(アフギ)
【扇】
以下略

となっています。
この場合、(アフギ)が新仮名「おうぎ」の旧仮名遣いの表記ということです。
また、「花」などのように…

はな
【花・華】
以下略

このように何も書かれていない場合は、新仮名遣いも旧仮名遣いもおなじ「はな」ということです。

小鳥きて少女のやうに身を洗ふ木かげの秋の水たまりかな  (与謝野 晶子)

たとえばこの歌は旧仮名遣いで表記されています。
「少女のやうに」は新仮名遣いでは「少女のように」、「身を洗ふ」は「身を洗う」ですね。

あとの「新仮名遣い」のところでも述べますが、本来、「新仮名遣い」が
「現代語をかなで表記する場合の基準」
「現代文のうち口語体のものに適用」
と一応位置づけられていることに従えば、旧仮名は文語文に適用されることになります。

しかし現代短歌の世界では、文語の短歌を新仮名遣いで表記したり口語の短歌を旧仮名遣いで表記するなど、歌人の方によって自由に選択し使われているのが実情です。

文語を新仮名で表現することについては様々な論争もありますが、後に述べる昭和二十一年に内閣が告示した「現代かなづかいの要領」自体が法律でも規則でもない以上、これは各個人の自由というしかないのかもしれませんね。

あと、初心者の方が見ると、旧仮名遣いで表記された短歌は一見、新仮名の短歌よりもカッコよく見えるかと思います。
ただ、所詮はそれは表記的なものにしか過ぎないということだけは覚えておいて下さい。。
短歌の良し悪しは、表記も含めた内容そのものです。



【新仮名(しんかな)】
「新仮名遣い(しんかなづかい)」とは昭和二十一年に内閣が告示した「現代かなづかいの要領」に基づいた仮名遣いで、「現代仮名遣い(げんだいかなづかい)」ともいいます。

「現代仮名遣い」は現代語をかなで書き表す場合の基準で、主として口語に適用されます。
(ただ、先にも述べたようにこの内閣告示の「現代かなづかいの要領」は法律でもなんでもないので、従う従わないは一応、個人の自由ということになりますが^^;)

つまり新仮名遣い(現代仮名遣い)は原則として、口語の発音のとおりに表記するということです。
たとえば「ぢ」「づ」などの語は使わないで「じ」「ず」で表します。

ただ、新仮名遣いは発音どおりに表記するといいながら、「鼻血」を「はなぢ」、「続く」を「つづく」とするなど、各所に矛盾のある仮名遣いでもあったりするのです。
まあ、その点は注意しなければいけませんが、新仮名遣いは現代人ならば普段生活の中で使っている表記ですし、なじみやすいという利点はありますね。

自分の表現したいことに旧仮名と新仮名のどちらのほうが合っているのか、文語と口語のどちらのほうが向いているのか。
何度も悩みながら自分自身にあった表現方法を見つけるしかないかと思います。

それと、気をつけなければいけないことですが、現代歌壇では一首の歌の中での文語と口語の混同はほぼ許容されていますが、旧仮名遣いと新仮名遣いの混同は一切認められていません。

一首の歌を旧仮名で表記する場合は旧仮名で統一し、新仮名の場合は新仮名で必ず統一しなければならないということだけは覚えておいて下さい。
もちろん、連作として数首の歌を詠む場合もどちらかで統一したほうがよいでしょう。


短歌の基本8 「枕詞と序詞」について
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